selftapeのセッティング:お金をかけずに照明・背景・音を整える方法
2026年9月22日 · 9分で読める
自分が今まで使った中で一番良かったselftapeのセッティングは、窓と、シェードを外したフロアランプと、たまたまちょうどいいグレーだった賃貸部屋の壁でした。お金は一円もかかっていません。それがこの記事の主張のすべてです。セッティングは一度払う固定コストで、その支払いは今住んでいる部屋にあるものだけで済ませられます。
キャスティングは制作クオリティなんて求めていません。求めているのは、あなたの顔が見えること、声が聞こえること、そして気を散らされないことだけです。
窓
自然光は持っている中で一番良い照明で、しかも無料です。窓に向かいましょう。窓とスマホの間に自分が入るようにして、光が顔に当たるようにします。横に置くと片目が影になりますし、後ろに置くのは絶対にやめてください。スマホは明るい窓に露出を合わせてしまい、あなたはシルエットになってしまいます。
窓から差し込む直射日光は強すぎて、眉の下に濃い影ができ、目を細めてしまいます。欲しいのは曇り空か、直射日光の入らない窓です。日差しがまっすぐ入ってくるなら、白いシーツやクッキングシートをガラスに掛けてください。窓がソフトボックスに変わります。みんながお金を払って買っているものと同じです。
難点は、自然光が動くことです。雲が通り過ぎるだけで、テイクの途中で顔の明るさが半段落ちます。録画の前に露出をロックして、スマホが勝手に追いかけないようにしましょう。ほとんどのスマホは、顔を長押しすればフォーカスと露出を同時にロックできます。iPhoneの詳しいやり方はiPhoneでのselftape: フォーカス、露出、ズームの使い方にまとめています。締め切りが今夜で日が沈んでいるなら、窓は選択肢から外れます。だからランプも必要になるのです。
ランプ1台
ランプは1台、2台ではありません。間違った位置に置いた2台のランプは、2つの影と輪郭のない顔を作ります。1台をうまく配置すれば、ちゃんとした顔になります。
手元にあるランプを使って、光を大きく柔らかくしましょう。裸電球は小さくて硬い光です。白いシェードを通すと柔らかくなります。白い壁やシーツに跳ね返すとさらに柔らかくなります。ここがコツです。ランプを自分の顔ではなく近くの白い面に向けて、跳ね返った光で照らすのです。面が大きいほど、光は柔らかくなります。
目線より少し上、そして横にずらして、ちょうど窓があるくらいの位置に置きます。正面から顔と同じ高さで当てると平坦になります。顔の下からだとホラー映画です。上から横にというのが、顔に本来あるべき陰影を作ります。
電球の色は、思っている以上に大事です。窓からの自然光と暖色の電球を混ぜると、顔の半分が青く半分がオレンジになり、スマホのホワイトバランスはどちらか一方に合わせて、もう一方がおかしくなります。どちらか一つに決めてください。ランプを使うなら、カーテンは完全に閉めましょう。
背景の壁
自分の1、2歩後ろにある、何もない壁を選びます。色は、自分の肌でも服の色でもないもの。グレー、淡いブルー、オフホワイト、くすんだグリーンなど。真っ白は白飛びしてあなたが相対的にグレーに見えてしまうのでだめです。強すぎる色も、目があなたではなく壁に行ってしまうのでだめです。
壁から離れましょう。壁にぴったり立つと、自分の影が壁に映り込み、壁が自分の一部になってしまいます。1メートル以上離れると、壁は柔らかくボケて、影もフレームの外に落ちます。部屋が狭ければ、スマホを戸口に置いて、自分はできるだけ部屋の奥へ入りましょう。
壁からは何も外しましょう。お気に入りのポスターも、本が並んだ棚も、コート掛けも。キャスティングは本棚を背にしたテープを千本は見ていて、そのどれも本棚のおかげで良くなったことはありません。きれいな壁がなければ、平らに留めたシーツでも代用できます。しわは光を拾ってしまうので、アイロンをかけてください。ドアでも構いません。目指しているのは、何も語らない背景です。フレームの中で語るものが、あなた一人になるようにです。
最高の壁と最高の窓、どちらか一方を選べるなら、窓を選んでください。
音(部屋、冷蔵庫、リーダー)
安っぽいテープがほころびるのは音声です。そして原因はほとんどの場合マイクではありません。部屋なのです。
硬い部屋は反響します。タイル張りのキッチン、浴室、フローリングだけの廊下は、どれも声にリングを乗せてしまい、一文言い終わる前に素人っぽく聞こえます。ベッドとカーテンとラグのある寝室は、まずまずのスタジオです。壁は良いのに部屋が硬い場合は、柔らかいものを持ち込みましょう。スマホの後ろの椅子に掛けた掛け布団、床のラグなど。スマホの近くにある柔らかい表面が、音がマイクに届く前に反響を吸収してくれます。
次に、耳を澄ませてください。目を閉じて、その部屋に1分間立ってみましょう。誰もが見落とすのが冷蔵庫です。何年も前から意識しなくなった音程でずっと唸っていて、スマホはその全部を拾います。撮影の1時間だけコンセントを抜くか、冷蔵庫のない部屋で撮りましょう。ノートパソコンのファン、2部屋先の洗濯機、バスが通るときの外の道路も同じです。自分に聞こえるなら、テープにはもっと大きく聞こえます。
スマホは近くに置きましょう。内蔵マイクは1メートルなら問題ありませんが、3メートルだと厳しくなります。ミディアムクローズアップならだいたいその範囲内に収まります。
そして、部屋の中で3つ目の音源になるのがリーダーで、一番失敗しやすい部分でもあります。大きすぎると自分のセリフをかき消してしまいます。スマホに近すぎると自分より大きな声になってしまいます。合図のたびにページをめくる音も入ります。リーダーはスマホの横、レンズと同じ高さで、自分より少し後ろに置いてもらい、自分より小さい声量を保ってもらいましょう。リーダーがスマホの中のアプリなら、この配置は自動的に確保されます。これも、アプリを使う理由として目立たないけれど確かなものです。
スマホの高さとフレーミング
目の高さです。テーブルの上でも、ドアの上の棚でもありません。レンズを自分の目と同じ高さにして、キャスティングを見下ろすでも見上げるでもなく、まっすぐ見つめるようにします。見下ろすと偉そうに見え、見上げると小さく見え、どちらも自分が意図した表現ではないはずです。
レンズがちょうどいい高さになるまで本を積みましょう。スマホを動かないように固定できるものなら何でも構いません。だめなのは、手持ちにすることと、テイク中に滑って動いてしまうような立てかけ方です。
ミディアムクローズアップでフレーミングします。頭と肩が入り、頭の上に少し余白があり、目がフレームの上3分の1に来るように。ブレイクダウンに縦向きの指定がなければ横向きです。そのあとは、二度と触らないでください。どうしても触る必要があれば、テイクの合間にしてください。テイク中は絶対に触らないでください。
アイラインはレンズのすぐ横、リーダーがいる側に置きます。レンズを直視するのでも、部屋の反対側を見るのでもありません。キャスティングは両目とも見たいので、レンズから手の幅以上離れたアイラインは、片目を隠し始めてしまいます。
リーダー
ここまでの話は、すべて手持ちのもので一晩で解決できます。テープを台無しにするのはリーダーです。セッティングの中で唯一「人」が絡む部分だからで、人は忙しく、疲れていて、刑事役のセリフをコーヒーを注文するときのような声で読んでしまいます。
blablablaはselftapeのリーダーアプリです。録画中、カメラの外で相手役のセリフを読み上げ、自分のセリフの部分にはテレプロンプターが出ます。今夜中にテープを撮らなければならないのに、誰も読んでくれる人がいないときに、いちばん頼りになるselftapeリーダーです。
本来なら無料で手に入らないものを、これが解決してくれます。クリーンな合図をくれて、自分のセリフにどれだけ時間をかけても待ってくれて、20回目のテイクでも1回目と同じ辛抱強さでやってくれる、もう一つの声です。キャスティングから届いたサイドをそのまま取り込んで、自分の役を選ぶと、他の全キャラクターにそれぞれ違う声がつきます。テレプロンプターはタイマーでスクロールするのではなくシーンについてくるので、間は間のまま残ります。詳しくはselftapeリーダーのページに、自分でセリフを録音したり、友人にスピーカーホンで読んでもらったりする他の選択肢を試したいならリーダーなしでselftapeする方法にまとめています。
どのリーダーを使うにしても、配置は同じです。レンズの横、アイラインのある側、自分より小さい声で。
以上がセッティングです。窓かランプ1台、離れて立つ何もない壁、冷蔵庫を消した柔らかい部屋、本を積んで目の高さに置いたスマホ、レンズの横のリーダー。初回は10分、それ以降は2分です。まだ一度も撮ったことがないなら、selftapeとは何か? オーディション形式を解説に中身をまとめていますし、こうしたことすべてが意味を持つ前にやるべき作業、つまり演技そのものについては一人で稽古する完全ガイドに書いています。
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